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共通遊漁券の導入について全国のデータを使って分析してみる。

はじめに

内水面(渓流)の釣りの遊漁券導入には経済的な効果を見積もり、評価する必要があります。管理人は共通遊漁券の導入を強く希望をしておりますが、その前に以下の疑問点を解消したいと思うようになりました。今回の記事はあまり釣りとは関係ないです。。。
また、結構調べた感じ面白いデータはありましたが、、共通遊漁券導入が明確に他の遊漁券販売を促進するといった結論は見えませんでした。*逆にマイナスになるという結論にもたどり着けませんでした。

  1. そもそも使えるデータはどこにあるのか?
  2. 基本的なデータ分析(パレート図、累積棒グラフ)
  3. 長野県の渓流釣りの特徴は何なのか?データから何が見えるか。
  4. 全国で販売される県内共通遊漁券価格は本当に適正なのか?
  5. 共通遊漁券の販売は、釣り人にはメリットであるが漁協にはメリットになるのか?
  6. 課題
1.そもそも使えるデータはどこにあるのか?

データ元

データを探した結果、5年単位で内水面の漁場情報の統計がオープン化されていることを確認しました。*5年おきのデータになりますので、2018年度の調査を参考に分析を試みたいと思います。本記事では基本的に以下を参考に都道府県での比較を行い管理人の疑問を解消することにしました。

[e-Stat 漁業センサス ]
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00500210&tstat=000001033844
→ 2018年漁業センサス
 → 内水面漁業地域の部 (都道府県編)より

本調査は、5年ごとに実施しており、全ての漁業経営体等を対象に調査しています。
本調査結果は、漁業経営体数、漁業就業者数、魚市場数、冷凍・冷蔵、水産加工場数等を全国、都道府県、市区町村別等に提供しており、国や地方公共団体の水産業施策や地域活性化の推進に活用されています。
2.基本的なデータ分析(パレート図、累積棒グラフ)*画像をクリックして拡大が可能です。

漁協数は33漁協とやはり上位、組合員数も全国3位。組合員内訳は、全国的な傾向とあまり変わらず。正組合員の割合は比較的小さい方なのかな。正組合員数が増えると、栃木県のように数字に伸びが見えるのかな?ここでは見えない漁協組合員数の減少傾向があるにせよ、全国的に大きな数値であることは間違えない様子。遊漁券の購入枚数は全国的に2位、内訳的には1位の山梨県と比べて、日釣り券の購入が少ない。山梨県では、都心の人が日釣り券を買って釣りをするような傾向があったりするんだろうか?

3.長野県の渓流釣りの特徴は何なのか?データから何が見えるか。

長野県内の情報から何とか全国1位となる情報がないかを調べてみました。。。。が、、、残念ながら県内の1位の情報はわかりやすい値(人口・面積)から、算出することができませんでした。しかしながら都道府県の上位に食い込む特徴としては以下のような情報がみられましたので参考までに報告させていただきます。なお、最階位の情報も同時に見ましたが情報はなく、県内漁場の評価は比較的全国的に上位に入る数値を示しました。個人的には数字の出し方によっては、一位を獲得しそうな項目もあるかもしれないな。。。と思うところ。。長野県は渓流大国であることは間違えないのですが、ちょっと見えにくくなっているのが惜しい。。。県内のリンゴや温泉の分野に似ているのかもしれない。。

*以下は単純に割り算をした結果のデータであり、県民人口との割合などを見ているが、遊漁券購入数は他県からからの購入数も含めている点に注意が必要。それにしても結構遊漁券の購入が長野県はあるんだな。。。
 日釣り券の購入が多い傾向があることも、山梨県と同様に日釣り券購入者を意識することが必要なのかもしれないと思うところ。。

全国2位(2018年度)*ランクイン2件

順位都道府県計算結果 [県民人口/遊漁券購入数]
1位山梨2
2位長野7
3位岩手10
4位群馬11
5位岐阜12
:
45位香川3140
46位長崎46309
長野県民合計(人口)に対する遊漁券購入数合計
順位都道府県計算結果 [県民人口/日釣り券購入数]
1位山梨2
2位長野8
3位岩手11
4位群馬14
5位岐阜16
:
45位長崎648329
46位香川*計測不可
長野県民合計(人口)に対する日釣り券の購入数

全国3位(2018年度)*ランクイン2件

順位都道府県計算結果 [県民人口/組合人数]
1位栃木30
2位岐阜55
3位長野78
4位徳島82
5位山梨101
:
45位大阪18122
46位長崎27014
都道府県民合計(人口)に対する組合人数(正組合員+準組合員)
順位都道府県計算結果 [県民人口/準組合員数]
1位栃木48
2位岐阜58
3位長野82
4位徳島92
5位山梨104
:
45位大阪19272
46位長崎32416
都道府県民合計(人口)に対する準組合員数
4.全国で販売される県内共通遊漁券価格は本当に適正なのか?

本項目は、遊漁券の売り上げデータが存在しないため分析ができない。上記に売り上げデータが追加されればある程度分析ができるようになりそうだが、データ不足。県内で仮に販売を行い、県内の各漁協からのデータを取得しつつ、各都道府県で共通遊漁券を導入している漁協の売り上げデータが詳細に手に入れば、かなり具体的な数値が見えてくるものと思われる。。長野県である程度の枚数発行を実施して、価格を変動をさせつつデータを蓄積していけば適正価格は見えてきそうな感じがします。

5.共通遊漁券の販売は、釣り人にはメリットであるが漁協にはメリットになるのか?

漁業センサスから提供されている情報と、2018年度の自分が知りえる漁協の共通遊漁券導入の都道府県を重回帰分析した場合計測の結果は以下のようになった。なんといいますが、、、結局のところ共通遊漁券の導入が市場に明確な影響を出しているという結論は出せなかったので、管理人の調査では、結局のところ遊漁券販売数合計の増加(売り上げ)に貢献するかはわからないという結論になりました。。。*2018年度に共通遊漁券を導入している都道府県情報は、長野県漁連さんから頂いた情報を参考にわかる限りの情報を入力し、共通遊漁券の導入計算には、ダミー変数を用いて計算をしてみました。

■解析結果1:
 人口(人) 面積(km2) 共通遊漁 漁協数 組合員数合計 で重回帰分析を行った結果(遊漁券の販売情報を抜く)
 式としては信頼度が低いが、共通遊漁券の導入は、一定の係数を記録しているので、販売数にも影響を与える可能性あり?


■解析結果2:
 上記に、年間_遊漁券数 漁期間_遊漁券数 1日_遊漁券数をプラスして重回帰分析を行った結果
 年間,期間,一日の遊漁券枚数の合計が、もろに販売枚数として診断されるので、係数は1として計測されている。。あまり意味はないかもだが、、他の変数がこれに足して何か関係しているかを見てみても途端に信頼性(P-値)は低下する様子。。そりゃそうだ。。


■解析結果3 
 解析結果1の(P-値)0.05以下の”共通遊漁”,”組合員数合計”を利用して式自体の信頼度を見てみる。
 以下の結果は以下の結果で興味深く、各都道府県の遊漁券販売数合計は、県内組合員数合計と、共通遊漁券の導入によって、信頼度の低い計算はできる様子。。なお、漁業センサスにはほかの変数も掲載しているので、この2つ以外の変数を準備すれば何かしら計測することができるんじゃないだろうか。。。管理人の課題です。

6.課題

上記のように都道府県の組合数の合計と、共通遊漁券の導入状態をダミー変数に置き換え、他の漁協センサス情報から、遊漁券販売量の結びつきのある変数を見つければ、共通遊漁券の販売が有用であることを証明できるかもしれない。が、、公開情報や他の変数を探すよりも実践してデータを集める方が有用な情報が手に入ると思われる。。なお、、、漁業センサスは都道府県別売り上げデータがあると、、、とても良いと思われます。なんかないかな。。。少し漁業センサス情報の変数として有用そうなものに探りを入れてみたいと思います。
また、管理人はいったん上記の解析は保留にし、県内の共通遊漁券の導入説明資料作成に時間を当てたいと思います。なかなかWEBの更新ができずすいません。。。。

補足:EXCEL利用で16変数しか利用できませんが、pythonで漁業センサス情報をビックデータ化し、解析したら何とかなるかもしれない・・・。
補足2:なんとなく気になって、寝られませんでしたので、、とりあえず公開された漁業センサスのビックデータ(スモールに近いのか。。)を作成し、
    共通遊漁券FLGを追加したデータを作りました。あとは、、、分析プログラムで変数を絞り込めればなんか面白いデータが見つかるかもしれない。。。
    使う人がいるかもなので置いておきます。

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